ムズムズする痒み、トイレが近い…。冬に繰り返す「カンジダ・膀胱炎」は、免疫力低下のサインかもしれません。|熊本の婦人科|みやはらレディースクリニック|ピル外来・子宮頸がん検診

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ムズムズする痒み、トイレが近い…。冬に繰り返す「カンジダ・膀胱炎」は、免疫力低下のサインかもしれません。

みやはらレディースクリニック院長の宮原 陽です。

共通テストを受けられた受験生の皆さん、支えてこられたご家族の皆さん、本当にお疲れ様でした。我が家にも受験生が居ますが、家族も緊張しますよね。


さて、一年で最も寒い「大寒(だいかん)」を目前に控え、体調を崩しやすい時期です。

実はこの時期、風邪と同じくらい急増するのが、デリケートゾーンのトラブルです。

「おりものがポロポロして、猛烈に痒い」

「トイレに行ったばかりなのに、すぐ行きたくなる」

もし今、そんな症状を我慢しているとしたら、それは「カンジダ」や「膀胱炎」かもしれません。

今回は、冬にこれらのトラブルが起きやすい医学的な理由と、正しい対処法についてお話しします。

なぜ? 冬に「下のトラブル」が増える3つの理由

「夏なら蒸れて痒くなるのも分かるけど、なぜ乾燥する冬に?」と思いますよね。

実は、冬特有の環境が、菌にとって好都合な条件を作ってしまうのです。

  1. 免疫力の低下(寒さ・疲れ)

    寒さで体温が下がると、私たちの免疫力は低下します。さらに年末年始の忙しさや受験シーズンのストレスが重なると、普段は抑え込めている菌に負けてしまいます。

  2. 厚着による「隠れ蒸れ」

    寒いからと、タイツにガードル、厚手のパンツ…と重ね着をしていませんか? 通気性が悪くなると、湿気を好むカビ(真菌)や細菌が繁殖しやすくなります。

  3. 冬の「隠れ脱水」と「トイレ我慢」

    冬は水分補給が減りがちです。尿の量が減ると、膀胱に入った菌を洗い流せません。さらに「寒いから」とトイレを我慢することで、菌が増殖する時間を与えてしまいます。

1. カンジダ膣炎(膣カンジダ)

「デリケートゾーンの風邪」とも呼ばれるほど、ありふれた病気です。

性感染症(性病)と勘違いして落ち込む方がいらっしゃいますが、カンジダ菌はもともと誰の体にもいる「常在菌」です。

  • 主な症状: 強い痒み、酒粕やカッテージチーズのような白くポロポロしたおりもの。

  • 治療: 膣洗浄と、膣錠(抗真菌薬)を入れることで、数日で劇的に楽になります。抗真菌剤のクリームに加えて痒み止め(ステロイド)クリームも処方します。

2. 膀胱炎

女性は尿道が短いため、構造的に膀胱炎になりやすい体質です。

「癖になっている」という方も多いですが、放置すると菌が腎臓まで達し、高熱が出る「腎盂腎炎」になるリスクがあります。

  • 主な症状: 排尿時の痛み、残尿感(出したのにまだ残っている感じ)、頻尿、尿の濁り。

  • 治療: 抗生物質の内服です。通常、飲んで数回〜1日で症状は治まりますが、菌を完全に殺すために処方された分は飲みきることが大切です。

 

【重要】「膀胱炎が治ったら、今度は痒い!」という方へ

実は、膀胱炎の治療薬(抗生物質)を飲むと、その後にカンジダを発症しやすくなることがあります。

「薬が合わなかったのかな?」と心配されるかもしれませんが、これには医学的な理由があります。 抗生物質は、膀胱炎の原因菌を倒す強力な味方ですが、同時に膣を守ってくれている「良い菌(善玉菌)」まで一緒に減らしてしまうことがあるのです。

ガードマンである善玉菌が減った隙を狙って、カンジダ菌が増殖してしまう…。 この「負のループ」は、決して珍しいことではありません。

もし抗生物質を服用後に痒みが出ても、ご自身のせいではありません。 すぐに教えていただければ、カンジダの治療もセットで行いますので、安心してご相談ください。


やってはいけない「自己流ケア」

一番避けていただきたいのは、「痒いから・汚いからといって、石鹸でゴシゴシ洗うこと」です。

デリケートゾーンの皮膚はまぶたより薄く、粘膜に近い場所です。

洗いすぎると、肌を守るバリア機能や、悪い菌と戦ってくれる「善玉菌」まで洗い流してしまい、かえって症状を悪化させたり、慢性化させたりする原因になります。

お湯で優しく流すだけで十分です。



恥ずかしがらず、早めの受診を

カンジダも膀胱炎も、自然治癒を待つのは辛いものです。

病院に来ていただければ、お薬ですぐに治せる病気です。


「優しさとは、正しい知識と想像力、そして経験の重なり」


私たちは、「こんなことで病院に行っていいのかな」という遠慮や、「性病だと思われたらどうしよう」という不安にも、専門医としての知識と経験で優しく寄り添います。

ムズムズや痛みは体からの「休んで」というサインです。

我慢せず、早めにスッキリ治して、快適な冬を過ごしましょう。



みやはらレディースクリニック

院長 宮原 陽

(産婦人科専門医・婦人科腫瘍専門医・女性医学専門医)