【第1回】その不調、実は「治療できる病気」かもしれません。厚労省「女性の健康」の新基準|熊本の婦人科|みやはらレディースクリニック|ピル外来・子宮頸がん検診

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【第1回】その不調、実は「治療できる病気」かもしれません。厚労省「女性の健康」の新基準

こんにちは。
みやはらレディースクリニック院長の宮原陽です。

今日は、最近少しずつニュースでも見かけるようになった
「女性の健康」に関する、国(厚生労働省)の新しい動きについてお話しします。

これまで会社の健康診断といえば、
血圧、コレステロール、血糖値、メタボ…
どちらかというと「生活習慣病」が中心でしたよね。

ところが今、厚生労働省は
働く女性の健康を守るために、健診の問診票へ「女性特有の健康課題」に関する質問を追加する
という取り組みを本格化させています。

これは、実はとても大きな一歩です。


なぜ今、「女性の健康」なのか

理由はシンプルです。

多くの女性が
「生理痛は我慢するもの」
「更年期は年齢のせいだから仕方ない」
そう思い込み、治療できる症状なのに、医療につながっていない現実があるからです。

診察室では、こんな言葉をよく聞きます。

「みんな同じだと思っていました」「病院に行くほどじゃないと思って…」

でも実際には、
我慢しなくていい不調
治療でラクになる症状
が、たくさんあります。

今回から全3回の連載で、
まずはその「気づき」の部分をお伝えしていきます。



あなたはいくつ当てはまりますか?

厚労省が作成したリーフレットには、こんなチェック項目があります。
「体質だから」と片付けられがちですが、治療のサインであることも少なくありません。

【月経困難症のサイン】

  • 毎回、生理のたびに痛み止めが必要

  • 鎮痛剤を飲む回数が年々増えている

  • 吐き気や頭痛で、仕事や家事に支障が出る

  • 生理のたびに1日以上仕事を休むことがある

【過多月経のサイン】

  • 経血量が多い日が2日以上続く

  • 夜用ナプキンでも1〜2時間で交換が必要

  • レバーのような血の塊が出る

【PMS(月経前症候群)のサイン】

  • 生理前にイライラ、不安、落ち込みが強く、生活に影響する

【更年期障害のサイン】

  • 突然のほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)がある

  • 寝つきが悪い、眠りが浅い

  • 気分が落ち込み、やる気が出ない

いかがでしょうか。

「あるある…」
そう感じた方もいるかもしれません。



「みんなそうだから」という誤解と、婦人科医としての危機感

ここで、少しだけ厳しい話をします。

日本の女性は本当に我慢強い。
でも、婦人科医の立場から見ると、
その我慢による“損失”があまりにも大きいと感じています。

たとえば「経血量が多い」という症状。
他人と比べられないため、
「自分が多いのかどうか分からない」方がとても多いです。

結果として、
気づかないうちに貧血が進み、
・集中力が続かない
・疲れやすい
・仕事のパフォーマンスが落ちる

こうした状態で、毎日を必死にこなしている方をたくさん見てきました。

また、強い生理痛の背景に
子宮内膜症や子宮筋腫が隠れていることも珍しくありません。

「体質だから」と鎮痛剤だけでやり過ごしていると、
将来の不妊リスクや、病気の進行につながることもあります。



問診にチェックを入れるだけでは、何も変わりません

今回の国の動きは、
「まず気づくきっかけを作る」という意味では、とても評価できます。

ただし、大切なのはその先です。

チェックを入れただけでは、症状は良くなりません。

気づいたあと、
「じゃあ、どうするか」
そこまでつながって初めて、意味があるのです。



美と健康は、人生のパフォーマンスを支える土台です

当院は「女性の美と健康」を大切にしています。

痛みを減らすこと。
貧血を治すこと。
ホルモンバランスを整えること。

それは単なる治療ではなく、
あなたがあなたらしく、心地よく、力を発揮して生きるための土台づくりだと考えています。

もし、今日のチェックリストに
ひとつでも当てはまるものがあれば、
会社の健診を待つ必要はありません。

「病気かどうか分からないけれど、困っている」
その段階で、婦人科を頼ってください。



次回は、
実際に職場の健診で導入されようとしている「女性の健康問診」の中身と、
多くの方が気になる
「会社にバレないの?」という点について、分かりやすく解説します。

ぜひ、続けて読んでください。

みやはらレディースクリニック

院長 宮原 陽

(産婦人科専門医・婦人科腫瘍専門医・女性医学専門医)