こんにちは。
みやはらレディースクリニック院長の宮原陽です。
前回のブログでは、
「生理痛や更年期症状は、我慢しなくていい」
というお話をしました。
今回はその続きとして、
これから職場の健康診断で導入が進む
「女性の健康問診」について、
多くの方が一番気になっているであろう
「プライバシーは大丈夫?」「会社にバレない?」
という点を、専門医の立場から分かりやすく解説します。
そもそも、何を聞かれるの?
新しいガイドラインでは、従来の健診問診票に加えて、
次のような質問を追加することが推奨されています。
「女性特有の健康課題
(月経困難症、月経前症候群、更年期障害など)で職場において困っていることがありますか。」① はい ② いいえ
たったこれだけの、とてもシンプルな質問です。
ただし、ここで多くの方がこう思うはずです。
「正直に答えて大丈夫?」
「会社や上司に知られたら困る…」
「会社にバレるのでは?」その心配は不要です
結論からお伝えします。
この問診で「はい」と答えても、
あなた個人の結果がそのまま会社に伝わることはありません。
厚生労働省のガイドラインでは、次のように明確に定められています。
-
回答は任意
答えたくない場合は、無理に答える必要はありません。強制ではありません。 -
結果は健診機関のみが扱います
回答内容は「医療情報」として扱われ、本人の同意なく会社に提供されることはありません。 -
会社に渡る場合も「匿名の集計データ」のみ
例えば「〇%の女性が困りごとを抱えている」といった形です。
特に少人数の事業所では、個人が特定される恐れがあるため、集計自体が行われないこともあります。
つまり、
上司や人事に個別の内容が知られることはありません。
健診でこの質問を見かけたら、
どうか安心して、今の自分の状態を正直に振り返ってみてください。
専門医として伝えたい「制度の限界」
ここからが、私が一番お伝えしたい部分です。
この制度はとても意義のある取り組みですが、
これだけで問題が解決するわけではありません。
① 健診の医師は、婦人科専門医とは限りません
職場健診を担当するのは、内科医や産業医の先生であることがほとんどです。
「はい」と答えて相談したとしても、
その場で詳しい診断や治療まで行えるケースは多くありません。
実際、ガイドラインでも
医師の役割は
「必要に応じて、専門医への受診を勧めること」
とされています。
② 「要受診」と言われてからでは遅いこともあります
健診結果が返ってくるまで、数週間。
その間も、痛みや不調は続きます。
「困っている」という自覚があるなら、
健診の判定を待つ必要はありません。
早く動くことが、
あなたの体だけでなく、仕事や生活の質を守る近道です。
健診は「きっかけ」。解決するのは専門クリニックです
この新しい問診制度は、
「自分の体を見直すきっかけ」として使ってください。
そして、
「そういえば、ずっと辛かったな」
「会社には言えないけれど、本当は困っている」
そう感じたら、
その時点で、婦人科を頼ってほしいと思います。
当院では、
職場では話しにくい内容も含め、
あなたのプライバシーを大切にしながら、
医学的根拠に基づいた治療・選択肢をご提案します。
必要に応じて、
診断書や働き方に関するアドバイスも可能です。
第3回では、
「我慢しない」という選択が、人生をどう変えるのか
婦人科を受診することで得られる本当のメリットについて、
私自身の想いも含めてお話しします。
ぜひ、続けて読んでください。
みやはらレディースクリニック
院長 宮原 陽
(産婦人科専門医・婦人科腫瘍専門医・女性医学専門医)